まとまるか、いきもの地球会議
2010年 07月 26日
今年10月に愛知で開かれるCOP10(第10回締約国会議)の開催まで、あと80日を切りました。
この会議では生物多様性に関する問題が話し合われるため、地元の中日新聞はこの会議を「いきもの地球会議」と名づけて注目度を高めようとしています。
(残念ながらネットで「いきもの」と検索すると、「いきものがかり」の関連ワードばかりが表示されますが…)
この会議をうまくまとめ、京都議定書のような何らかの合意(もちろん、その内容に対しては賛否両論がありますが)を打ち出せるかどうかに、ホストである日本政府と愛知県の威信がかかっています。
ところが先日の報告によると、各国間の意見の相違が表面化していて、すでに調整に難航しているようです。
先進国と開発途上国の間に大きな溝があるのは環境問題と同じですが、生物多様性問題で特に難しいのは、生物資源の利益配分をめぐる国際ルール作りだと言われています。
これは動植物や微生物などの生物資源を企業が商品化した際などに、得られた利益を資源の原産国に配分するルールです。
途上国側からすれば、「他の国のものを持ち出してもうけるのは海賊行為だ」として原産国にも利益を配分するよう訴えてきたわけですが、先進国側にとってはこのルールが企業活動や商品開発の大きな制約になりかねません(実際、アメリカはそれを嫌って1992年の条約締結に参加しませんでした)。
また、もう一つのターゲットである生態系保全への目標設定においても、先進国と途上国の間で深刻な対立が表面化しています。
これは、森林や海洋の保護、動植物の絶滅阻止、外来種対策など20項目にわたって2020年までの世界目標を決めようという試みですが、5月の準備会議では、高い目標を求める先進国に対し途上国が反発し、議論が平行線をたどりました。
途上国側は「高い目標にするのならもっと資金を増やしてくれ」というのですが、先進国側も昨今の世界的な経済危機で財政事情が厳しくなっています。国民からは、「そんなところに使うお金があるのなら、もっと俺たちの生活をなんとかしろ!」と言われることでしょう。
これも環境問題とまったく同じで、各国が自分の国の事情を言い出したら絶対にまとまるわけがなく、いかに国益を超えてより長期的・大局的な視点(地球益)で物事を見つめられるかなのです。
おそらく、議長国である日本がまずその範を示すことが求められるでしょう。しかし、京都合意書の時のように一人だけ犠牲になるようなことがないよう、しっかりと事前の交渉を重ねて、各国にも建設的な譲歩と発展的な意見を促してもらいたいものです。
会議まで残り2か月余り。
これからの事前調整でどこまで各国首脳陣の心を動かすことができるか。
日本政府の交渉力が試されます。(Arthur)
