市民活動における1Q84
2010年 05月 01日
村上春樹の『1Q84』Book3をようやく買いました。通勤の電車の中だけというMyルールを作ってちょっとずつ、ちょっとずつ読んでいます(まだ読み終わりません)。
おかげで通勤時間が全く苦にならず、乗り過ごすことも数回…。
それで、市民活動の歴史における1984年の位置づけは何だろうと考えてみました。
たまたま、あるワークショップで市民活動の歴史についてプレゼンする機会もあったので、ちょっと調べてみました。国会図書館に行き、昔の朝日ジャーナルとかを見てみたのですが、もう約30年前になるんですね。
この年アメリカで『ネットワーキング』(J.リップナック、J.スタンプス)という本が出ます。この本のテーマは「もうひとつの(オルタナティブな)アメリカの発見」。つまり、組織的=ヒエラルキー的な行政とは別に、ボランタリーな形での個人・グループ・組織のネットワークが「公共」を担っているというわけです。この本では、1,600ものネットワークを観察し、これを7ブロックのネットワーク群に分類、活動の概要を解説しています。
この本が日本の市民活動に与えた影響はとても大きかったと言われています。
60年代のマルクス主義の影響をモロに受けたイデオロギー的・組織的な運動が挫折し、70年代は個別イシュー解決のための運動(社会学者のハーバマスやトゥレーヌは「新しい社会運動」と呼びました)がメインになっていた日本の市民活動ですが、実際はかなりそれぞれが孤立していた感がありました。そんな中、ネットワーキングという響きのいい概念は大きなインパクトを与えました。
もちろん、まだ60年代の残滓がある時代ですから、「既存の行政体、企業体、運動体に対抗して、自主的市民のヨコ型の情報の流れ、人のつながりを自覚的につくり出し、タテ型社会の行き詰まりを乗り越えよう」(『朝日ジャーナル』1984年10月19日号)と鼻息は荒いです。
今のボランティア活動・市民活動をしている人たちが、やたらと「つながり」を強調する源流もこの辺りにあるのかもしれません。
ちなみに私にとっての1984年は、映画『風の谷のナウシカ』を見て、環境問題に目覚めた結構なターニング・ポイントの年でした。(Aki)
