「本物を作る」― 東芝:どん底からの復活
2010年 03月 14日
少し前のことですが、我が家で大画面液晶テレビ(32型)を買いました。
今までずっと15型の液晶テレビを使っていたのですが、さすがに小さく、最近子どもたちが限りなく接近してテレビを見るようになってきたので、思い切って買い換えることにしました。
6年前には15型で5万円ほどしたのが、今では同じ値段で26型が買えるほどここ数年で一気に価格が下がってきています。
しかしいざ買おうと思って家電量販店を訪れてみると、いろいろなメーカーがさまざまな種類の薄型テレビを発売しており、正直言ってどれがいいのか迷ってしまいました。
そこで参考にしたのが、ネット上の口コミ情報でした。
大画面テレビと言えば、シャープの「AQUOS」、ソニーの「BRAVIA」、パナソニックの「VIERA」など、宣伝でもよく見かけるメーカーのものの印象が強かったのですが、なんとネット上で評判が最も高かったのは、東芝の「REGZA」でした。
「REGZA」なんて聞いたこともない、それが最初の印象だったのですが、よくよく調べてみると、そこには東芝の社運をかけた挑戦と成功があったことがわかったのです。
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東芝が薄型テレビの新ブランド「REGZA」を発表したのは、2006年2月21日のことでした。会場はオープンしたばかりの超高級ホテル、マンダリンオリエンタル東京。しかし、その会場の華々しさの裏側で、実は東芝のテレビ事業は危機に瀕していました。
1990年代のブラウン管時代を経て、時代が薄型テレビに入ったとき、東芝は大きく出遅れます。2003年に液晶テレビに参入するも、結果は惨敗。国内シェアは1ケタ台に落ち込みました。
そんな中、「このどん底から這い上がるには小手先の工夫ではダメだ、徹底的に商品性にこだわるしかない」と考えた商品企画部が、社運をかけて投入したのが、新ブランド「REGZA」だったのです。
こだわりは、機能、画質、デザイン、あらゆる面に貫かれていきます。そして、パソコン用外付けHDDとの接続を可能にするなど、まさにユーザー心理をくすぐる商品が作られていきました。途中、「趣味で作るな」「本当に売れるのか」という批判も多く出たそうですが、それらの批判を「本物を作れば消費者はわかってくれる」という確信によって乗り越えていったのです。高級ホテルでの発表会は、「本物を作る」という社内へのメッセージだったのです。
そして「REGZA」は、まず、こだわりを追及し機能比較に通じたネットユーザーたちの心をつかみ、その口コミの力によって一般消費者の心をつかむことにも成功したのです。
東芝の国内シェアは2009年には20%目前にまで回復し、今まで一貫してシェアを伸ばしています。2008年度に薄型テレビで唯一黒字を確保したのは東芝だけで、これは“電機業界七不思議の一つ”と呼ばれているそうです。
さて、最後になりましたが、私が買ったテレビはといえば、
もちろん、「REGZA」です。
(Arthur)
