ロシアン・ジョーク
2009年 07月 20日
外国語を話すことが苦手な私だが、実は、外国語を聞くことは大好きである。
その国独特の表現はなんとも心地よい。
ロシア留学時代、日本人一人だった私は、民族と文化の壁にぶつかり孤独を感じる時期があった。
寮生活をしていたのだが、寂しくなると日本好きのおばさんの家によく遊びに行っていた。
ロシア語があまり話せない私を自分の娘のようにかわいがってくれるおばさんが
雨の降る日に入れてくれるロシア風コーヒーは、いつも私の心を癒してくれた。
ロシアで初めて迎えた誕生日には、ごちそうを用意してパーティーを開いてくれた。
お決まりのチェブラシカのお誕生日の歌を歌いながらのパーティーはとても楽しかったのだが、
突然、ロシア人の学生が「なぜ悲しい顔をしているの?」と私に聞いてきた。
そんなつもりはなかった私は、その質問に少し困ってしまった。
そのとき、おばさんが微笑みながら言った言葉を私は誕生日を迎えるたびに思い出す。
「細い道を通って生まれてくるときに、ママといっしょに苦しんだことを思い出したからよ。」
ただのロシアン・ジョークなのか、誕生のすばらしさを表現した言葉なのか。
日本人の私はその言葉を聞いて誕生のすばらしさを思ったのだが、そのロシア語はとても心地よいものだった。
生命をかけてお母さんが産むこと。
生命をかけて赤ちゃんが産まれてくること。
共に苦しんで生まれた親子の永遠の絆は、決して切れないものであると思う。
APAUJ
