正しい論理と応援される論理

2009年 07月 13日

経営コンサルタント・神田昌典さんの最新刊『全脳思考』を読みました。

 

 

行きつけの書店で売れ筋ランクインしていたのと、いろいろな雑誌等で取り上げられて話題になっていたので、思わず買ってしまいました。

 

 

 

 

内容的には正直言って、「なあ~んだ、そんなことか」といった内容でしたが、往々にしてこの手の本は、当たり前のことを体系化・モデル化して整理するところに大きな意味があるものなので、その意味ではこの本が売れているのも納得できます。

 

 

いろいろと気づきや学びを得ることができたのですが、個人的に一番ヒットしたのは、“正しい論理と応援される論理は違う”という内容でした。

 

 

経営コンサルタントの主な仕事は、現状を正しく分析し、クライアントが抱えている問題に対する解決策を提示することですが、その提案がいつも受け入れられ、実行されるとは限りません。

 

 

その一番の理由が、実は、その提案が「正しすぎるから」なのです。

 

 

そう言うと意外に思われるかもしれませんが、これは私たちが何か行動を起こすときのことを考えてみればよくわかります。

 

 

私たちは、別にいつも「正しい」ことをやろうと思って行動しているわけではありません。

 

 

それよりもまず、本能的に「楽しいこと」「好きなこと」をやりたいと思っているのです。
(このことに関して著者は、人間の脳の三位一体モデルを使って解説しています)

 

 

つまり、本の中で著者が指摘しているように、「正しさは、人を傷つける」ことがあり、正しい提案を論理的に完璧に行ったとしても、それが相手の感情の反発を招いた場合には、まったく受け入れられず、当然行動にも移されないのです。

 

 

コンサルタントの目的は組織を改革することにあるわけですから、本当に成果をあげようと思うならば、「正しい提案」よりも、むしろクライアントが受け入れ行動に移すことができる、「応援される提案」が必要なのです。

 

 

著者はこのことを、『「論理的な人間」ではなく、「人間的な論理」が求められている』と表現しています。

 

 

私も市民団体やNPOの人から相談を受けることがありますし、今は仕事で組織改革にも携わっています。
その中で、なかなか提案が行動に移されず、提案をした人が歯がゆい思いをするという場面に、何度も遭遇してきました。

 

 

これからは、やみくも正論を振りかざすのではなく、相手の感情にも配慮した「人間的な論理」を組み立てることのできる、「ヒューマニスティック・コンサルタント」が求められていくのではないでしょうか。

 

Arthur

 

 

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