ポニョのふるさとからみる「変化しないための変化」

2009年 07月 10日

 今日は、「れっくんとやっくんの時事放談」のお時間です。皆さんは、あの『崖の上のポニョ』をご覧になりましたでしょうか。最近、DVDも発売されましたね。今回は、崖の上のポニョのふるさとといわれる、広島県福山市鞆の浦(とものうら)のあり方から、「変化しないための変化」というテーマについて、考えてみたいと思います。


J】 どうも~。やっくんで~す。

 

L】 れっくんで~す。

 

J】 それにしても、れっくんは

    『崖の上のポニョ』、見ましたか?

 

L】 あぁ、崖っぷちのポニョね。


    
J】 崖っぷちじゃなくて、崖の上です!

 

L】 いいじゃん、どっちだって。

    危ないことには変わりないんだし。

 

J】 いいわけあるかぁ! 危なさは問題じゃないんです!


   
L】 まぁ、崖っぷちといえば、

    これ書いてる人の懐具合も、崖っぷちだしね。

 

J】 そんなことは、どうでもいいわぁ!

    

L】 まぁまぁ。わかってるって。崖の上のボニョでしょ。

 

J】 ボニョじゃなくて、ポニョだっての!

 

L】 ごめんごめん。ボニョだと、かわいらしくないよね。

    ボニョは、これ書いてる人のお腹くらいにしてほしいよね。

 

J】 おいおいおい。何さっきから自虐ネタかましてんの?

    そんなことはどうでもいいんです!

    とにかく、崖の上のポニョなんです!

 

L】 君、さっきからポニョのことを熱く語っているけど、

    君は、どれだけポニョのことを知っているというんだね?

 

J】 いや、さかなの子ポニョと、5歳の宗介君をめぐる、

    感動の物語じゃないですか?

 

L】 あぁ、君のポニョに対する理解は、その程度カネ?

    まったく、悲しいものだねぇ。

 

J】 じゃあ、れっくんは、ポニョの何を知ってるんですか?

 

L】 冒頭で、ポニョがジャムのびんに頭突っ込んで、

    もがき苦しみながら、死にかけていただろう?

 

J】 ……なんか、描写がものすごくエグイんですけど…

    ま、まぁ、そんなシーンがありましたよね。

 

L】 実は、あのジャムは、

    広島県に本社のあるジャム会社「アヲハタ」の

    ジャムなんだよ。

    ちなみに、味はブルーベリー味。

 

J】 そ、そうなんですか!? えらい細かい設定ですね。

 

L】 だったら面白いんだけどね。

 

J】 って、嘘だったんかい!

 

L】 ごめんごめん。おわびに、本当のことを教えると、

    ポニョの舞台となった町のモデルは、

    広島県福山市鞆の浦(とものうら)といわれてるんだ。

 

J】 へぇ~

 

■そのわりには福山市ではPRされていないポニョ

 

L】 何でも、宮崎さんが鞆の浦に社員旅行に行って、

    そこで鞆の浦を大変気に入って、

    鞆の浦で2ヶ月くらい滞在して、

    ポニョの基本構想が練られたらしいよ。

 


J】 ほう、そうなんですか。

    そりゃさぞかし、鞆の浦や福山市も、

    ポニョ企画で盛り上がったことでしょうねぇ。

 

L】 そう思うでしょ。だけど、実際のところは、

    鞆の浦でも福山市でも、

    大々的にPRはしてないんだ。

 

J】 なんですとぉ! なぜ、大々的にPRしないのか!

 

L】 まず、鞆の浦では

   「宮崎さんが愛したのは、

    歴史ある静かな漁村としての鞆の浦だ」

    なんてことで、あまりはしゃがないようにしたんだって。

    これは、これ書いてる人が、

    鞆の浦保全のNPOの代表に聞いた話だから、まず間違いない。

 

J】 なるほどですねぇ。じゃ、なんで福山市はPRしないんでしょうね?    

 

L】 鞆の浦保全のNPOの人によると、

    福山市としては、今「歴史ある静かな漁村としての鞆の浦」を

    あまり全国区で知られたくないからなんだって。

 

J】 ほぅ、なぜです?

 

L】 それはね、

    鞆の浦に埋め立て架橋を建設する計画が進んでいるからで、

    この計画が実現すると、

    鞆の浦の現状の景観は、間違いなく損なわれるから、

    ポニョ人気をPRすると、建設計画が進まなくなるから、

    あえてPRしないんだってよ。

 

J】 そうですか……なかなか難しい問題ですねぇ。

 

■「変化しないための変化」とは?

 

J】 まぁ、埋め立て架橋を建設すると、

    確実に地域財政は今より潤うでしょうから、

    難しいところですよねぇ。

 

L】 この問題を考えるには、

    「変化しないための変化」を

    どうとらえていくかにかかっている。

 

J】 なんです? その「変化しないための変化」って。

 

L】 要は、積極的に現状を維持するための行動だよ。

 

J】 積極的に現状維持、なんていうと、

    ビジネスの世界では、退歩的な考えですよね。

    常に変化に対応し、またはいかに変化を作り出すのが、

    ビジネスの世界での掟ですからねぇ。

    そうできないものは、淘汰されてしまう。

 

L】 別に、鞆の浦の景観を保全したところで、

    ちょっとは観光客も来るかもしれないけど、

    財政面から考えると、

    埋め立て架橋を建設したほうがいいに決まってる。

    そうした、まっとうな変化をあえて捨てるのが、

    変化しないための変化、というありかたなんだ。

 

J】 なるほどですねぇ。

 

L】 別の観点で言えば、途上国の人たちだって、

    完全に欧米のスタイルに順応してしまえば、

    より豊かな生活をすることができる。

    それが、まっとうな変化だよね。

    しかし、あえてその変化を捨てて、

    昔ながらの生き方を維持し続けることは、

    「変化しないための変化」といえる。

 

J】 じゃあ、まっとうな変化と、変化しないための変化、

    どちらがいいんでしょうかね?

 

L】 別に、どっちがいいということはないさね。

    ただ、一ついえることは、

    両者が分かり合うことは、相当に難しいだろうね。

    現状では、分かり合うのではなく、

    うまく妥協案を探っていくことしかできない。

 

J】 人の世の難しさですね。

 

L】 そんなことを考えていると、

    ポニョのキャラクターの中で、人間が嫌になってしまった

    フジモトさんって人がいるんだけど、

    その気持ちもよくわかるよね。

    でも、それでも希望を捨てないでいこうとするのが、

    求められる生き方かもしれない。

 

J】 絶望から希望をつくりだす、ってところでしょうかね。

 

■最後に

 

L】 それにしても、これ書いてる人、

    最近は訳あって、

    鞆の浦に行ったり、いろいろ行ってるから、

    これ書いてる人も、財政的に大変らしいよ。

 

J】 まさに、崖っぷちのなんたらですね。

 

   
J&L

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