現代日本人の「宗教」観
2009年 07月 05日
日本人のどのくらいの人が「宗教」を信じているのでしょう?
2008年の読売新聞の調査によれば、
「日本人で、何かの宗教を信じている人は26%、信じていない人が72%」
だそうです。
世界で、宗教を信じている人の割合が85%であることと比較すると、
日本社会は、宗教へのアレルギー(抵抗感)が蔓延している感じがします。
たしかに、メディアで扱う宗教は、怪しい、怖い、テロといった「社会悪」
だったり、季節行事、観光名所等の無害で情緒的な「日本文化の象徴」
だったりします。学校教育で宗教への理解を深める機会もありません。
普通に生活している限り(親族や友人など周囲に宗教者がいなければ)、
「自分も宗教組織に属し、神仏を敬い、己の生き様を正したい」と
いった考えはおこらないでしょう。
ただ、日本人がまったく宗教心がないわけでもなさそうです。
「自然の中に人間の力を超えた何かを感じることがある」は56%。
死んだ魂については、「消滅する」18%に対して、
「生まれ変わる・別の世界」合わせて54%と多数派。
「先祖を敬う気持ちを持っている」人に至っては94%に達するそうです。
宗教心は否定しないが、周りの宗教団体および宗教者は信用できない、
というのが一般的な感覚なのでしょう。
「自分には理解しがたい存在」「自分が天国に行くことを願っており、
社会問題解決には無関心」という想いもあるのかもしれません。
そんな宗教への風当たりは、宗教者自身も感じているようで、
宗教者としての姿勢を問い直す試みも行われています。
たとえば、昨年は、北海道洞爺湖サミットにあわせて、
「平和のために提言する世界宗教者会議(G8)」を開催。
「軍事費を削減して環境保護のための基金創立を」
「環境や貧困、紛争などの諸問題で宗教界と協力すること」などの提言書をまとめ、
各国首脳へ提出しました。
宗教間の違いを乗り越えて、人類共通の良心を示すのは、
宗教者としての大事な使命といえましょう。
現状では、このG8自体が宗教組織の対立で2箇所で開催されたり、
「宗教家は大言壮語をはくが、決して重い腰を上げようとしない」という
批判があったり、と課題はまだまだ根深いです。
しかし、平和な世界、多文化共生社会実現のためにも宗教への理解と宗教間対話は
不可欠ですので、今後の宗教界の動き、および、日本人の宗教観への変化に
前向きな期待をしたいと思います。
(ぽん)
