第五水準のリーダーシップ
2009年 05月 16日
5月1日のがん日で別の人も書いていましたが、私もこの『ビジョナリー・カンパニー②』に書かれている“第五水準のリーダーシップ”に感銘を受けた一人です。
今回は、それを少し別の観点から紹介したいと思います。
著者は本の中で、「偉大な実績に飛躍した企業はすべて、決定的な転換の時期に第五水準の指導者に率いられていた」と語っており、その第五水準のリーダーシップの要素として以下のものをあげています。
・個人としての謙虚さと職業人としての意思の強さを併せ持つ
・野心は何よりも会社に向けられていて、自分個人には向けられていない
・次の世代でさらに偉大な成功を収められるように後継者を選ぶ
・徹底して謙虚で、控えめで飾らない
・成功を収めたときには窓の外を見て、結果が悪かったときには鏡を見る
理想的なリーダーというと、カリスマ的な力でメンバーを強く引っ張っていく華々しいイメージがあり、またそういうリーダーが多くメディア等で取り上げられてきましたが、この本の中で著者があげている第五水準のリーダーはそうではなく、地味で目立たない存在として描かれています。
しかく、会社の発展に対してはあくなき野心を持っており、その目標の実現ために的確な判断とリーダーシップをもってメンバーを導くのです。
こういったリーダーが目立たないのは、自分の実績を軽々しく誇らないからであり、また「自分が成功したのは運がよかったから」あるいは「他のメンバーに支えられたからだ」と考えているからです。
これが、「成功を収めたときは窓の外を見て、結果が悪かったときには鏡を見る」の意味するところです。成功したのは他の人(または運)のおかげ(=窓の外を見る)、一方、失敗したのは自分の責任だと考える(=鏡を見る)のです。
さらに、第五水準のリーダーのもう一つの大きな特徴として、自分がいなくなった後のことも考えて経営判断を行っているということがあります。
著者がこの本を著すにあたって比較対象とした企業(同じ分野にありながら飛躍できなかった企業)の多くのリーダーは、後継者が失敗する状況を作り出すか、自分よりも劣る人物を後継者に選ぶかをしていたといいます。
つまり、自分の実績をより際立たせるために、後継者が自分より成功することを望まないというのです。
地味で控え目でありながら、会社の末永い発展を考えて的確な経営判断を行う。
それでいて、自分の実績を誇ることなく、成功はすべて社員の手柄と考える。
そんな第五水準のリーダーを、私たちも目指したいものです。
(Arthur)
