「即断即決」の技術
2009年 03月 02日
リーダーには決断する場がたくさんあります。
決断が苦手で損をしてしまう方に、参考になる文章を見つけましたので、紹介します。
『ある業界に、即断で知られる辣腕経営者がいました。
その経営者は幹部が問題を持ち込んでくると、片手を背広のポケットに入れ、
もう片方の手であごをさすりながらしばし天井を見つめていたかと思うと、
助言を求めに来た幹部の目を除き込み、きっぱりとイエスかノーの判断を下します。
そのあまりに自信に満ちた態度に、幹部は感嘆しながら帰っていくのです。
彼の迅速な決断のおかげで、会社は何度も大きなチャンスをものにして成長してきました。やがて、あの会社のトップは即座に正しい判断を下す能力を持っているという噂が広まり、彼の株はどんどん上がっていきました。
経営の神様だとあがめられるようになった彼のもとに、ある日営業部長がやってきて新しい販促活動を進めるべきかどうか判断を仰ぎにきました。
辣腕経営者は報告書の内容を見て、いくつか質問をしました。
そしてちょっと考えた後に「いいだろう。進めてくれ」とゴーサインを出しました。
社員食堂を移動させたほうがいいのではないかという提案が持ち込まれたときにも、
いくつか質問をした後に「今の場所でいいだろう」と即座に判断を下しました。
彼は問題を先送りにすることなく、あれこれ悩む様子も見せずに、その場で毅然とした態度で決断を示します。明日まで待ってくれと頼んだことは一度もありません。そんな彼の評価はますます高まり、ついには賢者だとの評判が立つまでになりました。
やがて彼は、周りにその才能を惜しまれつつ、退職の日を迎えました。
その日、新しくCEO(最高経営責任者)に就任した人物が、絶対に社外には漏らさないと前置きした上で、即断の秘訣を尋ねると、彼はにやりと笑って新しいCEOに言いました。
「豆だよ」
「え、何ですか?」
「豆だよ、豆」
「豆?どういうことでしょう?」
即断の神様が背広のポケットに手を入れると、中からひと握りの豆が出てきました。
彼はそれをもう片方の手にパラパラと移すと、またポケットにしまいます。
「もうずいぶん昔のことになるが、決断を先送りにすると、必ず悪い結果になるということに気づいてね。
それですぐに決断する方法を考えたんだよ。ポケットに豆を入れておいて、イエスかノーか決断を迫られたときには、ポケットに手を入れて豆をつかむんだ。それを中で数えて、奇数ならノー、偶数ならイエスと答えるんだよ」
あ然とする新しいCEOに、彼はこう続けました。
「要するに、答えはどちらでもいいんだ。大事なのはどちらかに決めてしまうことだ。もちろん、その決断が間違っていることもある。けれども、間違っているとか、正しいかということよりも、決断したことでその次にすぐエネルギーを注げるようになるということが重要なんだよ」
即断の神様は「これで君も名経営者だ。うまく使ってくれたまえ」と言ってにこにこ笑いながら新CEOの手に豆を握らせ、満足げに部屋をでていきました。』
これにもう一言プラスするとすれば、決めたことに対しては揺るがず信念を貫くということでしょうか。
決断(決めた後も含めて)1つで人生が変わることもあるそうです。自ら環境を引っ張っていく人になりたいですね。
【参考文献】『3日でプラス思考になる方法』三笠書房 清水榮一著
