「フツーにおいしい」は、おいしいか。
2008年 10月 23日
「フツーにおいしい」
この言葉を耳にしたことはありますか?
主に若者が使う言葉だと思いますが、
さて、これってどういう意味なんでしょう?
おいしいの?おいしくないの?
まずは、「ふつう」がどういう意味なのか、というところから。
「普通」とは、大辞泉によると
「特に変わっていないこと。ごくありふれたものであること。
それがあたりまえであること。また、そのさま」
という意味です。
そういう意味だけで捉えると、冒頭の「フツーに」は意味がわかりません。
そこで、以下に気になる「フツーに」の使い方をまとめたものを紹介します。
これは、NHKの梅津正樹アナウンサーが若者に渋谷の街で聞いて得た内容です。
①「フツーに学校行った」
=当たり前に、何事もなく、いつものように
……それ以上聞かないでほしい、深く突っ込まれたくないという気持ちが込められている。
一昔前の「別に」と似ていて、答えるのがめんどくさいときに使える。
②「フツーに楽しい」
=(実はあまり楽しくない状況だけど)そんなことない、むしろ
……場が盛り上がらないとき、「楽しくないの?」と聞かれ、逆説で答えるときに使う。
③「フツーにおいしい」
=意外に、予想外に、思いがけず
……まずそうなものを期待せずに、意外とイケてたときに使う。
ただし「おいしい」よりおいしさのレベルは下。
フツーに使っている「フツーに」ですが、
こうしっかり論理だてて、まとめられると、
深入りされることを拒んでしまう心の弱さを見透かされているようで、恥ずかしくなりました。
若者の言葉が乱れているとは、よく言われることですが、
きっと微妙な気持ちを表現するために、言葉は選ばれ、変化していくのですね。
それがいいのか悪いのかは、別として。
次回は、「すごい」について考えたいと思います。
お楽しみに。
(can)
【参考文献】
「ことばおじさんの気になることば」 NHKアナウンス室ことば班 編
