出船よう候

2008年 09月 22日

祖父は今年、80歳で敬老の日を迎えた。
 


私は昔からおばあちゃん子で、

いつも笑顔で遊んでくれ、誰からも慕われる祖母が大好きだった。

 

 

一方祖父は、無口で大きくて(身長180センチで肉付きも良い)、

つるつると禿げていて、左半身麻痺という、何だか近寄りがたい、関わりの薄い存在だった。

小さい頃は毎週末に祖父母の家へ通っていたにもかかわらず、

私が弾くピアノをにこにこと聴いていたという印象くらいしかない。
 


祖父の話を深く聴くようになったのは、私が実家・福岡を離れてから。
家族を1人の人間として、見つめられるようになってからだ。
 
 
祖父は八百屋の子で、ずっと剣道をしていたこともあり、軍隊では小隊長を務めた。
第二次大戦中は奈良の駐屯地で、特攻隊を送り出したこともある。
福岡に戻ってからは祖母と結婚し、苦労して八百屋を大きくし、

無事2人の娘を育て上げた。

 

その間も剣道を続け、様々なところで監督も行った祖父の自慢は、

未だに区警察署・剣道場の最上段に、自分の名前の札が掛けられていることだ

40代半ばで脳血管系の病で倒れ、左半身麻痺となったが、

誰もが認めた努力家で好漢だった。

今では30年以上、左半身麻痺の体とつきあい、立派な人生を送っている。

 

 

そんな祖父が60年以上大切に心に留めていること(VALUES)がある。

戦時中に宿泊していた道場で、見つけた教えだ。

 

 

1.出船よう候(いつでも出発できるよう、心構えと準備をしておくこと)
2.五分前の精神
3.1.至誠に悖るなかりしか
  2.言行に恥ずるなかりしか
  3.気力に欠ぐるなかりしか
  4.努力に恨みなかりしか
  5.不精に亘るなかりしか

 

 

昔は分からなかったが、祖父は誰もが認める、努力家で好漢だ。
60年以上貫いているVALUESに教えられることは多い。

 

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