2つの祖国のためのオリンピック

2008年 08月 03日

いよいよ北京オリンピックまで、あと4日となった。

日本からも過去最多の選手が出場するそうだが、

その一人ひとりに大きなドラマがある。

 

 

最近、テレビで紹介されていて、とても興味を持った選手がいる。

その一人が、韓国からの帰化選手である。

 

といってもサッカーではなく、女子アーチェリーである。

韓国名は嚴恵浪(オム・ヘラン)。

「いつも恵みがあってほしい」という願いをこめて、

祖父が名付けてくれたそうである。

日本国籍取得後も1字をとって「早川 浪」(はやかわ なみ)を名乗る。

 

 


韓国の国技とも言えるアーチェリーであるが、

本国で代表選手になることを

諦めての「五輪のための帰化」ではない。

 

07年の世界室内選手権を制した有望株の来日のきっかけは

意外にも「アーチェリーとの決別」だった。

韓国ジュニア代表まで上り詰めたが、

実業団入り後、アーチェリーのみの生活に迷いが生じた。

 

「社会に出て知識のなさを感じた。もっと勉強をしたい」。

04年、日本人と再婚した母親を頼って日本に語学留学すると、

「住んでみたら日本が好きになった」。

 

翌年、アーチェリー経験を推薦状代わりに日体大に入学した。

待っていたのは新鮮な経験だった。

「韓国は監督、コーチがつきっきり。日本は自分でやらないとうまくなれない」。

スポーツ心理学などを取り入れた主体的な練習で才能は再び開花。

日本語も上達し、今では日本代表にすっかり溶け込んだ。

 

 

しかし、韓国のウェブサイトに、

「韓国では代表になれないから日本に行ったんだ」

「よりによってなぜ日本になんて帰化したのか」

「あいつは裏切り者だ」

という書き込みを見つけてしまった時は、とても胸が痛かったそうだ。

 

 

ただ、本人自身は、インタビューの中でこう答えていた。

「オリンピックで結果を出すことで、育ててくれた韓国への恩返しをしたい。」

「金メダルを取ることで、日本の皆さんには、この人が日本人になってよかったと思っていただきたい。」

 

2つの祖国を心から愛し、メダルを目指して頑張っている選手をぜひ応援したいものである。

 


taka

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