天災と「保護する責任」

2008年 05月 15日

 連続するかのようにミャンマーに大型サイクロンが、中国では大地震が起こりました。 今日は、これを題材にがん日を書くため、ちょこっとですが、赤十字に寄付してきました。

 

 

 ミャンマーにおいては軍政下で、外国の援助関係者の現地での活動を事実上拒絶しているため、実際の状況がなかなか分かりません。
 軍政当局の発表によれば、死者は34,000人を超え、行方不明者も27,000人以上。国連は死者が10万人に達する可能性も指摘しています。
 さらに、軍政は世界食糧計画の援助物資を一時差し押さえており、援助物資の横流しの疑惑もあります。

 

 

 今日の日経新聞社説では、このようなミャンマー政府の対応を「人道に対する罪」であると指摘しています。
 人道に対する罪に対しては、「人間の安全保障(Human Security)」の理念に従えば、被災者に対する「保護する責任(Responsibility to Protect)」を果たすため軍政の同意なしでも被災地で救援活動できるよう、国連安全保障理事会の決議を求めていくということになるでしょう。まあ、中国・ロシアが同意するとはとても思えませんが。

 

 

 さて、わが日本の外務省も「人間の安全保障」を外交上のベース・コンセプトであると謳うなら、何らかのアクションがあって然るべきですが、どうもそんな雰囲気はありません。
 日本では、「人間の安全保障」は、復興・援助・開発の文脈でしか捉えられていない印象を受けます。いわゆる「癒し系」ですね。それが日本人や日本という国の「キャラ」に合っているのかもしれませんが、最も構造的な暴力に対して無関心というか無干渉であることに対しては釈然としません。

 

 

 誤解を恐れずに言えば、援助を単に無償のもとと捉えるのではなく、それとバーターでどのような政治的譲歩を引き出すのか、というネゴシエーションとしてのツールであるという認識が必要なのではないでしょうか。

 

 

Aki

 

 

※ 「保護する責任」とは国家主権は人々を保護する責任を伴う。
 国家が保護する責任を果たせない場合は国際社会がその責任を務める。 
 国際社会の保護する責任は不干渉原則に優先する。(Wikipediaより)

 

コメント一覧

1. Posted By おおお 2009年08月01日 00:15

どうしてロシア、中国は保護する責任の概念を嫌うのでしょうか?

2. Posted By Aki 2009年08月01日 14:10

中国のチベット問題に象徴されているように、「保護する責任」がスタンダードになると、チベット人の人権の尊重という大義名分の下に、外国からの干渉を招くからです。 外国からの干渉が問題というよりも、それによって、国内の統合がゆさぶられるのが中国政府にとって死活問題なのでしょう。

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