バルカンに平和は来るか?
2008年 04月 03日
先月、所用があってバルカン半島に行ってきました。
人生初の中央ヨーロッパ訪問で、マケドニア・セルビア・クロアチアの三ヶ国をまわったのですが、短い滞在の間でも、この地域が抱える民族・宗教問題の根深さの一端を感じることができました。
たとえば、マケドニアの首都スコピエは、実はあのマザー・テレサが生まれた街なのですが、街の一画にひっそりと銅像が立っているだけで、言われなければ誰もその存在に気がつきません。
なぜもっと大々的に宣伝しないのかと現地の人に聞いてみたのですが、理由は簡単で、マザー・テレサがマケドニア人ではなくアルバニア人だからです。
マケドニアは人口の多くがマケドニア人ですが、最近、隣国アルバニアからアルバニア人が多く移住して来ており、マケドニア人を上回る勢いで人口が増え続けています。
おまけに事業も成功して富が集中してきているため、多くのマケドニア人はアルバニア人をよく思っていないのです。
最近話題になったコソボも、アルバニア人が90%を占める地域であり、セルビア人が多くを占めるセルビアとの対立が深刻化していました。
このコソボの独立宣言には、何もしてくれない国際社会に対するアピールの思いがあったのだと思います。
最近はメディアでもイラクやアフリカの問題ばかりがクローズアップされますが、実はこのバルカンの問題も以前からほとんど進展していないままなのです。
3月27日、国連が「世界がもっと知るべき10大ニュース」というものを発表しました。
これは、国際社会が重要性に気づいていなかったり、メディアの関心が薄れたりした問題を取りあげたもので、以下の項目があげられています。
・ウガンダ北部での和平進展
・国籍のない人々の存在
・常態化する異常気象
・少女兵士の苦しみ
・岐路のアフガニスタン復興
・マラリア予防と治療の進歩
・国連人権理事会・特別報告者らの役割
・平和維持活動での警察の活躍
・平和を模索するスーダン南部
・鳥インフルエンザの脅威
バルカン問題はこの10項目にはいっていませんが、同じように今、人々やメディアの関心が薄れてきている問題の一つではないでしょうか?
マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく、無関心です」という言葉を残しましたが、人々がこういった問題に無関心でいる限り、それらはいつまで経っても解決されることはないでしょう。
バルカンの問題はあまりにも深刻で、一個人が手に負えるものではありませんが、まずはこういった問題に対して関心を持ち、自分の目と足で正しい情報を集めていくことから始めていきたいと思います。
(Arthur)
