回顧されるファンタジー

2008年 02月 06日

日曜は大雪でしたね(※首都圏)

 

こちらで雪が積もることは年に一度あるかないかくらい。
ちょうどこれくらいの頻度が、

何ともいえないファンタジックな気分にさせてくれる塩梅ではないでしょうか。  

 

今回ほどの吹雪の中を歩くと、

何故かいつも「塩狩峠」(三浦綾子著)を思い出します。
僕の場合は映画が先で、それに衝撃を覚え、本を手に取りました。

 

ご存知ない方は、ググるなりして調べてもらえたらと思います。
「結納の日、故障で止まれなくなった列車の鉄道員が、

自らの身を犠牲にして列車を止め、乗客の命を救った」

という実話に基づいた小説。 

 

 

百年近く前の話であり、今の時代背景からすると、もはや幻想的寓話である。
個人が自由を尊重し、自分の人生を謳歌することが別に悪いとは思わない。

憲法でも保障されているわけだし。

 

そんな凡庸かつ冷淡な感覚の持ち主である自分でさえ、

感動を禁じずにはいれなかった。


情報の時代である20~21世紀の現代で僕らは、

自分の欲望だけでなく、見も知らぬ他人の欲望からも影響を受け、

利益とは何か、幸福とは何かもわからないまま求め続けている。

 

 

「もう何だかよくわかんねえや」

 

色々ありすぎると、こーなることもマァありますわね。
見えない何かに押し潰されそうで、目に見える何かにすがりたくなる。
これだけ放蕩な世の中であれば、それも無理ない話しでしょう。

善か悪かすら分刻みで変化する世界。

 

「塩狩峠」が教えてくれるのは、

「犠牲や奉仕の精神が尊い」とか価値観の話ではなく、

いつの時代だって、人は欲望と向き合い悶々とする中で、

うっすらと光の射す方へ歩き出していく。

そういう単なる普遍性の実感、唯是のみな気がします。(私の場合)

 

普遍的心象風景に身を漂わせつつ、ぼんやり頭に浮かんできた…

個人主義主体の今だって、

長い目で見ると、時代の継ぎ目みたいなもので、

『「とりあえずは裕福になって地位・名誉を得ることが、幸せなんじゃね?」

 なんて幻想、一昔前は皆言ってたよね』

なんて振り返ってる未来があるのかもしれない。

 

なんつって、ほどよく達観した気分になったりで。
まっさらな雪景色の不思議な力と、

自身の旺盛な妄想力には脱帽するばかりであります、小隊長殿。
寒い日が続くけれども、もう暫くは前向いて歩いていけそうです、押忍。


注) こんなんではまったく伝わらないでしょうが、「塩狩峠」は垂涎の名作です。

 

 (Hleb

 

 

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