『ゆめきち』
2007年 12月 12日
先日、自然体験の引率者として、懇意の学生メンバー30名とともに堤防つりに出かけた。
初心者が中心となった今回のつり体験の為に、事前に手作りの「竹のさお」を各自が準備。ゲーム世代となった学生たちにとっては、竹を切りだして、つりざおを作ることからして一苦労。しかし、試行錯誤の中から準備されたとは思えない名品の数々でした。
お金を出せば何でも手に入るこの使い捨て時代に、わざわざ手間暇かけて、不格好なさおをつくること自体、滑稽に映るかも知れない。しかし、そこには自身の手で「夢や理想を実現する」という学びのコンセプトがあった。無から有を作りだす。思いを叶えるその醍醐味を味わってほしい…。
さて、参加者の大半が初めての堤防「さびきつり」の始まりです。一本一本と立ち並ぶさおの先からは、みんなのはしゃぐ気持ちが伝わってくるようです。きっと、この気持ちは魚たちにも伝わっていることでしょう。
さすがに、これだけの人数が揃うと横からの眺めは、戦国時代の足軽隊が槍を敵陣に向けているなる勇壮な風景です。
しかし、吹きすさぶ冷たい風の前には無力な私たちでした。鎧に身を固めた戦国武将のようにはいきません。眼前に広がる大海に潜む、まだ見ぬ獲物を釣り上げる期待感が時間と共に薄らぐほどの寒さとの戦い。
約3時間の激闘の末、釣果は6匹という厳しいものでした。自分の思い通りにならない中で、いかに思いを貫いていけるか。学生たちにとっていい勉強になったようです。
もちろん、時期的に見たら、つりに関してだけいえば決して好条件とはいえない状況ですが、そんな中で2匹を釣り上げた学生とねぎらいの握手をした際、こんな感想がでてきました。
「本当に楽しかったです。また、やりたいです。」と。
びしょぬれになり、冷たくなった手からは想像もできない笑顔と喜び弾む声。
ほどなくわかったことですが、この子は根っからのつり好きの子で、先ほどの笑顔は、2匹釣り上げたという結果からのものではなく、自然そのものに対する感謝の気持ちから出てきたものでした。
私ははっとしました。夢を貫く強い意志は尊いが、その大前提があるのだと。それは、「自分を取り巻く環境に対する感謝」だと。
この一人の「つりきち」(←大の釣り好き。つりのきちがいの意味)から考えさせられました。夢・理想・自分の思いを具体的な形にすること。平和のビジョンを実現化することの前提にはこの環境に対する感謝を忘れてはいけないということを。そして、感謝の絶えることのない、「夢きち」がピースメーカーなのではと。
(まさ)
