ユビキタス社会における『いじめ』
2007年 12月 09日
7月に兵庫県神戸市の私立滝川高等学校で、インターネットを悪用したイジメ
を苦に、生徒が授業中に「トイレに行く」と教室を出たまま4階から自ら身を投
げて、若い命を失うという事件がありました。
各種メディアの報道では、被害者生徒が虐待を受けている画像がネットワーク
上にアップロードされるなど、携帯やネット上のマルチメディアがイジメの道具
に使われていたということです。
最近の「いじめ」の半数以上は、携帯やネット上のマルチメディアを濫用した
「ネットいじめ」がからんでいると言われていますが、その匿名性ゆえに悪質化
が激しいようです。
「いつでもどこでも情報化」というユビキタス社会には、「いつでもどこでも
どんなケースにでも、つまりイジメにも犯罪にも利用できる情報ネット」という
もう1つの側面がついて回ります。
21世紀に入って進展したブロードバンド化に伴って、文字テキストのみならず、
音声動画メディアを使った「ネットいじめ」が横行するようになってしまいました。
テレビやラジオの番組であれば、スポンサーからの制約、社内の内部審査、
そして『放送法』『電波法』という国の法規の規制など、いい意味での 「縛り」
を受けています。
映画なら映倫、ビデオにはビデ倫といった具合に、各業界には内容のチェック
機構があります。
しかし、ブロードバンドネットワークでの音声動画メディアは、全くの『無法
地帯』です。
一般のユーザーが、「YouTube」などにアップロードするコンテンツは、スポン
サーチェックも受けません。
そういう中で、12月6日、総務省は「通信・放送の総合的な法体系に関する
研究会」の報告書を発表しました。
ウェブ上の情報にもテレビ放送のような一定の法的整備の必要性や課題を
まとめたものでした。
こういう動きをみると、今後、法的整備も進んでいくでしょうが、『表現の
自由』の問題もありますので、後手後手に対応するのが精一杯のような気がし
ます。
最近、企業が力を入れている『 CSR(企業の社会的責任)』はもちろん今後
も重要ですが、高度情報化が進めば進むほど、そこに住む市民一人ひとりの
『 PSR(個人の社会的責任)』を高めていくことが、とても重要なのだと思い
ます。
(taka)
