先生、オレ生きてるの嫌んなりましたよ
2007年 11月 28日
K君は今日も先生に叱られていた。
宿題は出さない、授業中は寝ている、無駄口はたたく…
はっきり言って「問題児」であった。
しかし、彼には夢があった。
イラストレーターになるという夢が。
その夢は、怠惰な彼にも毎日夜遅くまで絵を描かせた。
そう、彼の夢は彼の「自律駆動のエンジン」だったのだ。
そうはいっても、彼の日々の生活には変化はないといってよかった。
授業中は寝ているか、おしゃべりするかのどちらかだったし、
叱られてへこんでいるのも、あまりにも日常的過ぎた。
そんな彼が言った言葉が、
「先生、おれ生きてるの嫌んなりましたよ。」
真実味がないというのが最初の印象だった。
しかし、
普段からなにかと目をかけていたこともあり、
話をしてやることにした。
これは実際に数日前にあった出来事だ。
私が彼に語った言葉は、たいした名言でもない。
ただ、彼の姿は、
かつての(現在の?)私によく似ていたので、
自分の体験を話してやったにすぎない。
夢は、思い描くところから始まる。
しかし、大部分の人がそこで終わる。
理由=できたらステキだけど、できそうもないからはじめから挑戦しない。
少し目指してみたけど、芽が出そうもないからあきらめる。などなど…
でも、である。
もし、その大部分の人から抜け出して、
夢に向かって歩き始めたらどうなるだろうか。
少なくとも、何もしなかった人よりは夢に近づける。
確実に、一歩だとしてもだ。
ここまでは誰でも思うことだ。
しかし、これには続きがある。
具体的に計画を立てるのだ。それもおもいきり具体的に。
できればビジュアル化するとよい。
そして、今日今からすぐに、なにかを始めることだ。
その夢を果たすのに、いま必要なことを、
できるだけカンタンなやり方で一歩踏み出す。
こんなことを彼に話してやった。
彼はまだ理解できないような、腑に落ちないような複雑な表情をしていた。
そこでもう一つ。
「まずは、授業中寝ないために、夜早く寝なさい」
伝わったかどうか。
まだちゃんと生活しているか確認していないのでわからないが、
一歩踏み出すとはそういうことだ。
これは自分でさえ、ようやく最近始めたことだ。
しかし、すこぶる調子がよい。
それは、失っていた、自分を信じるということ=自信を
とりもどしつつあるからだと思う。
生徒と接しながら、いつも自戒を迫られる。
私がこの仕事を愛するひとつの理由である。
しかし…
生きてるの嫌んなりましたって、聞いててあんまりいい気分しないものだなぁ。
