お金持ちの児童労働
2008年 01月 07日
今回は児童労働の原因を考えていきたいと思います。といっても通常、児童労働が発生する原因のほとんどは貧困です。
「家にお金が無い」→「生活のためには子どもまで働かなくてはいけない」→「児童労働の発生」という流れは、誰でも容易にできるのではないかと思います。そして、所得(または資産)が増大するにつれて児童労働の発生率が減少していくというのが一般的な理解ではないでしょうか?
しかし、いくつかの途上国においてはまったく逆の減少が起こっているのです。つまり、最貧困家庭には児童労働が生まれず、資産が増大していくにつれて児童労働が増えていくということがあるのです。みなさんどうしてか分かりますか?
このケースでのキーポイントは「土地の所有」です。例えばある程度の土地を所有している裕福な家庭があるとします。その土地を使って田畑を耕し、収益を上げることになります。しかしこの時、土地を耕すために雇っていた労働者のモラルが著しく低下していたらどうでしょうか?
もしかしたら仕事に手を抜くかもしれません。収穫した農産物を隠れて盗むかもしれません。そうなると、労働者への監視を強化する必要が出てきますが、これにもまた手間がかかるわけです。
もし労働者を何度変えても同じだとしたらどうでしょうか?この時に最後の手段として、自分の子どもに土地を耕させるという選択肢が選ばれるわけなのです。自分の子どもであれば一番信頼できるし、農産物を盗んだりもしないからです。
逆に土地を所有していない最貧困家庭では、家庭の内外に仕事が見つからないケースもあり、児童労働が発生しないことがあるのです。こうして、最貧困家庭では児童労働が発生せず、資産(土地)が増大するにつれて児童労働が発生するという現象が起こるようになるのです。
こういった現象は、通常日本ではあまり想像のつかないことかもしれません。それは、日本では一般的に高学歴であれば将来的な所得が増すという信用市場があるためです。高等教育まで学ぶ必要があるかどうかは賛否両論があるかもしれませんが、初等教育は絶対必要だとするのが一般的な見解かと思います。
しかし、もしこの信用市場を利用できない国であったり、親が信用市場を信頼できない場合にはどうでしょうか?親達は未来への投資(教育)よりも目先の利益(児童労働)を選択するようになってしまうのです。
このように、児童労働を考えるときは当事者を取り巻く社会のありようを必ず理解する必要があるのです。
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